中学受験に英語が加わるのはいつから? 英語入試の最新動向を大手受験塾の先生に聞いてみた!

中学受験

ハナコ

いよいよ2020年から、小学校でも英語の授業が本格的に始まります

我が家にも2024年に中学受験予定の小学2年生の子どもがいるので、近い将来、中学入試にも英語が加わるという噂を耳にして、とても心配しています。

そこで、大手進学塾の先生にお話をうかがいながら、首都圏の中学受験での英語導入の可能性や時期、今からできる準備について考えてみました。

中学受験に英語が加わるって本当?

本当です。選択制ではありますが、すでに英語の試験を行う学校は急増しています。

大手進学塾の先生

かつて中学受験での英語入試とは、そのほとんどが帰国子女を対象にしたもので、一般の受験生には縁のないものでした。

しかし最近は、これまでの4教科や2教科型の入試とは別に、帰国子女でなくても出願できる、選択制での英語入試を導入する学校が急増しています。

【過去5年間に英語入試を行った首都圏私立中の数】

英語入試を行う学校数

ハナコ

なんと、英語入試を行う学校はすでに100校以上もあるとは!

例えば、東京都港区の東京女子学園中学校では、17年から選択制で英語のスピーキングとリスニングのみの英語入試を実施しています。

千葉県の市川中学校では、理科、社会の代わりに英語が選択できる「英語選択入試」を導入、その難易度は英検準一級レベルととても難しいことで話題になりました。

なぜ今、中学受験に英語を取り入れる学校が急増しているの?

その大きな理由は、2020年から始まる大学入試改革を見据えているからです。

大手進学塾の先生

2020年の大学入試改革では、マークシート式のセンター試験は廃止され、英語の試験では民間の資格・検定試験の結果が活用されるようになります。

特に、英語四技能と呼ばれる、

  1. 聞く(Listening)
  2. 読む(Reading)
  3. 話す(Speaking)
  4. 書く(Writing)
を重視し、英語を使ってコミュニケーションできる能力を問う内容へと変わります。

小学校でも英語教育がスタート

小学3年生からは「外国語活動」と呼ばれる、英語を聞くこと、話すことを中心とした活動がスタートします。

小学5年生以降は読み書きの指導が始まるとともに、「外国語科」という正式な教科になり成績がつくようになります。

小学校3・4年生の英語は「外国語活動」

  • 歌やゲームを通じて英語に親しむ
  • 「聞く」「話す」を中心に年間35コマ

小学校5・6年生の英語は「外国語科」

  • 教科書を使用する正式な教科(成績評定あり)
  • 「読む」「書く」を加えた年間70コマ

ハナコ

今後、英語が小学校の正式な教科になるのなら、英語が入試科目に加わっても不思議ではないですよね。

近い将来、中学受験が英語を加えた5教科になるとしたら、いつから?

現在、英語の試験は選択制で実施している学校がほとんどです。

数年の間に、一斉にどの学校も英語を加えた5教科入試になるとは考えにくいですが、その先の状況はまだなんとも言えません。

大手進学塾の先生

たとえば超難関とされるような学校では、2019年時点では英語入試を行っていません。英語入試は当面行わないと明言している学校もあります。

しかし中堅の学校や新設校は、最初から高い英語力を持つ生徒を集め、大学入試で結果を出したいと考えているため、今後もますます英語入試を積極的に取り入れていくはずです。

現状、そのほとんどが選択制ではありますが、英語が小学生が学ぶ正式な科目となる以上、ゆくゆくは英語を加えた5教科の入試へとシフトしていく可能性もゼロではないでしょう。

中学受験の英語

英語入試の導入時期は、各学校の教育目標やカリキュラム、生徒募集の方針などによっても異なりますから、あらかじめ志望校の学校説明会などに参加して、個別にしっかり情報収集を行いましょう。

ハナコ

中学受験の最新情報を知る塾の先生でも、まだはっきりとしたことは分からないのですね。

でも、ある年から急に、全ての学校で英語の試験が必須になるわけではないと分かって、ちょっと安心しました。

試験のレベルはどれくらい?

現在の英検5級、4級程度が目安です。

大手進学塾の先生

新しい学習指導要綱の目標は、小学校卒業時点での英単語数が600~700語程度です。

その語学力の目安は、現在の中学1~2年生で学習する英検5級、4級あたりと決して高いレベルではありません。

小学校で扱う内容をしっかりマスターすることで対応できると思います。

ハナコ

でも、そんなに簡単なテストをわざわざ実施する必要はあるのでしょうか?

確かに、中学受験に挑む子供たちは、英語もしっかり対策してくるでしょうから、易しい試験なら大きな差はつかないと思います。

よって、英語で得点を稼ぐというよりも、英語は高得点がとれることを前提に、他の4教科の成績で競うということが考えられます。

たとえば、いくら他の教科の成績が良くても、英語が合格ラインに達していないと不合格になる、といったことです。

ハナコ

英語の試験が行われたとしても、当面は学校で学習する内容に沿ったものになりそうですね。

今から準備できることはある?

英語入試の準備

これから中学受験を考えている子どもたちは、英語入試に向けてどのような準備が必要なのか考えてみました。

学校の授業をしっかり理解する

小学校での英語教育が目指しているのは、英検でいうと5級~4級(現在の中学1~2年生レベル)と、決して難しい内容ではありません。

特別な学習をするよりも、まずは学校で学ぶ内容をしっかりと理解することが大切です。

英検にチャレンジする

私立中学の中には、英検(実用英語技能検定)で一定以上の級に合格している生徒には、加点や英語試験の免除、特待生入学などの優遇を行っているところがあります。

今後もこのような学校はますます増えていくと思われるため、英検を目標に英語学習を進めることは中学受験にも役立つはずです。

英語教室などに通う

私の子どもは、幼稚園の頃から公文の英語に通っています。

アルファベットからスタートして、英単語、英文法と段階的に毎日プリントを解くことで、英語の読み書きが自然と身につくのは良い点だと感じます。

周囲には、英会話教室や、英語の学童を利用しているお子さんも多いです。

みんなで歌ったり、ゲームをしたり、楽しみながら英語を聞いて話す機会が得られるので、英語でのコミュニケーション能力が身に付くようです。

高学年になり、塾や習い事に忙しくて英語教室に行く時間がない、というご家庭では、オンライン英会話を利用しているといいます。

自宅のパソコンを使って学習ができるため、時間の融通が利く、教室に通うよりも料金が手ごろ、などのメリットがあるそうです。

ハナコ

最近のニュースを見ていても、スポーツや芸術など、世界を舞台に活躍する人たちは若くても英語が上手な人が多いですよね。

中学受験に役立つから、という理由に関わらず、子どもの英語学習には力を入れたほうが良いのだと感じました。