ポキート
偏差値40台の私立の中高一貫校を受験したうちの娘。
“ゆるっと受験”をする決断をした経緯や合格までの道のりをお話しします!
女子の9割が中学受験と聞いて驚いた!
公立の小学校に子供が入学すると、ちょっと先の未来に直面する問題としてフワッと頭に浮かび、そして離れなくなるこの質問。
「中学受験する?しない?」
娘が入学した都内の公立小学校では、なんと女子の9割は受験組だという話をママ友から聞いてびっくり!
うちの小学校、女子は9割、男子も7〜8割は受験組みたいよ。
ママ友
勉強が苦手なうちの子に中学受験は本当に必要?
もう一つ、小学校に入学して判明した大きな現実。
ポキート
ポキチータ(娘)
…いや、まだ低学年のうちからそう決めつけてしまうのは早すぎる!…と自分に言い聞かせてはみるものの、びっくりするような通知表を持って帰ってくるのです。汗
まだこの頃は私も、受験と言えば上位校を目指すものだと思っていたので、うちの子に受験をさせるとしたら大変な戦いになるだろうなぁ〜と思っていました。
娘は将来何になりたい?
3歳からバレエを習っている娘。
ポキチータ(娘)
- バレリーナを目指す娘に練習を休ませて受験勉強をさせるのが正解なのか?
- はたまた6歳の娘が言う「バレリーナになりたい」はどこまで本気なのか?
例えば夢が「お医者さん」や「弁護士さん」だったら、どんなに勉強がキライだと言っていても親は盛大に「勉強しなさい!」と背中を押せるわけです。
もしくは、まだなりたいものが見つかっていないのなら、保険として“良い学歴”はあるに越したことはないですよね。
では、目指しているのがスポーツ選手やバレリーナなど、小さい頃からの日々の鍛錬が必要なものだったら?
でも、実際プロになれるのはほんの一握り。
ポキート
答えは出ないまま受験勉強をさせることに
この頃は、“バレエを続けながら中学受験もする”という選択があることに全く気がついていませんでした。
受験戦争がピークの時代に学生だった私は、中学受験をするということは、習い事や遊びに費やす時間を全て注ぎ込み、全力で受験勉強をして上位校を目指すものだと思い込んでいたのです。
結局、しばらくの間「バレエ(将来の夢)」か「受験(現実的な保険)」のどちらを取るのか決められず、クラスメイトのほとんどが中学受験をする雰囲気に私たちもなんとなく流されて行きました。
とりあえず進学塾に入れてみた(小3〜小4)
小学3年生の春、ママ友からこんな話を聞きました。
3年生のうちなら入塾テストがないから、大手の進学塾に入れるなら3年生のほうが確実だって!
ママ友
ポキート
うちの子が入塾テストにパスできるとは思えん!!!
小学校3年生のうちに入れなきゃ!
宿題地獄に親子で泣いた小学3年生
当時、バレエなどの習い事の送り迎えが大変だったので、せめて塾は一番近いところにしたいという理由で日能研にしました。
まだ週に1日「国語」と「算数」2教科だけだったので、通塾のスケジューリングはさほど大変ではありませんでしたが、宿題による負担が私にも娘にも一気に増えました。
塾の宿題は、その週やった「授業の復習」と毎日少しずつやる「漢字と計算のドリル」があり、親が採点して間違っているところはやり直させて提出します。
これがまた、内容が難しい上に量も多くて、やりたくないと愚図る娘にやらせるのに一苦労。
そして採点してやり直させるのにもう一苦労。
ポキート
そのせいで、娘は何のために大嫌いな勉強をこんなにさせられているのかがわからず、親子で不毛な時間をただただ過ごしてしまいました。
バレエも塾も楽しかった小学4年生
ポキート
新しく通い始めたスクールの影響で、この頃から娘の夢が少しずつ具体的になってきました。
ポキチータ(娘)
同時に私立中学校の文化祭や学校説明会にも少しずつ足を運ぶようにしたら、受験勉強へのモチベーションも少しだけ上がってきた様子。
そして何よりも、4年生になってから小学校の仲の良いクラスメイトたちがたくさん入塾してきたので、塾通いも楽しそうになりました。
スケジュール管理に悩み塾の先生に相談する
ポキート
日能研では4年生から「国語」「算数」「理科」「社会」の4教科を受講するようになります。
ですが、4年生のうちはなるべくバレエを優先させたいと考えてることを塾の先生に相談して、引き続き「国語」「算数」2教科のみ受講することに。
そして、夏期講習、冬期講習、春期講習だけ4教科受けることにしました。
女子校だと2教科受験ができる学校がたくさんあるし…通学圏内にもいくつかありますよ。
塾の先生
もともと、受験するなら女子校が希望だったので「2教科受験ができる女子校」にターゲットを絞って学校説明会に行くことにしました。
個別指導に塾を変える
4年生になってから塾が楽しくなったように見えたのとは裏腹に、算数の宿題を採点しているとどうやら授業に全くついていけていないように感じたので娘に話を聞いてみると…
わからないまま授業が進んじゃってて…。
ポキチータ(娘)
塾の先生と相談して、算数だけは日能研系列の個別指導塾ユリウスに通わせることに。
- マンツーマンで受講できるので、わからないところを先生に質問しやすい
- 改めて入会金を払わずに済む
- 今まで日能研で使っていた教材を引き続きそのまま使える
- 毎月受けている日能研のカリキュラムテストの内容に合わせて授業を進めてくれる
- 毎月のテストの成績も日能研とユリウスで共有してくれる
他の個別指導塾も検討しましたが、やはり系列ならではのメリットが多かったので、ユリウスにしました。
習い事を続けながら“ゆるっと受験”をしよう!と決める(小5)
5年生の春。
いよいよ、ここ数年先延ばしにしていた「バレエ(将来の夢)」か「受験(現実的な保険)」かの選択に決断を下さなくてはいけません。
高校を卒業した後は衣装のデザインの勉強ができる専門学校に行きたいなぁ。
将来、もしバレリーナになれなくても、衣装のデザイナーになりたい。
ずっとバレエに関わる仕事がしたいの。
ポキチータ(娘)
この一年で、より現実的になった娘の将来の夢。
「もしバレリーナになれなかったら…」その一言が娘自身の口から出たことに驚き、娘も成長しているのだと知りました。
バレエスクールの中でも、群を抜いて上手いというわけではない娘。
私の知らないところで、小さな挫折や悔しい思いを娘なりにしてきているのでしょう。
そして、それを糧にして成長していることがわかり、とても嬉しく思いました。
娘の本気を知り、母も上位校を目指さなくてはいけないという考えを改める
ポキート
バレエをもし今やめたとしても無駄になる事なんてないんだよ。
ポキチータは歌もジャズダンスも絵を描くのも好きでしょう?
もし他にやりたい事が見つかったら、将来の夢を変えるのはちっとも悪いことじゃないんだよ。
しかし娘はこう言いました。
みんなで一つの大きなお話を作るのがやりたいの。
ポキチータ(娘)
拙くとも彼女なりの言葉でバレエの魅力を語ってくれた娘。
娘がどれほど真剣にバレエと向き合っていたのかを初めて知り、私の気持ちも固まりました。
ポキート
海外留学も、私立の中高一貫校の方がしやすいだろうし…!
でも、ギリギリまでバレエのレッスンを減らさずに受験できる方法を考えよう!!
勉強は本当にやりたいと思ったら何歳になってもできます。
しかし、バレエは休んだ分を取り戻すのが大変です。
今、中学受験のためにバレエを休ませることで娘の人生に後悔を残させるのは嫌だ!…と思った私は、まずは「上位校を目指すものだ」という中学受験に対する自分の考え方を大きく変えて、そして計画を練り直しました。
志望校が決まる
ポキート
- 2教科受験ができる
- 女子校
- 通学時間30分以内(近ければ近いほどよし)
- 偏差値40台
- 英語教育、留学制度が充実している
志望校が決まったので、受験勉強の計画も変わりました。
- 日能研はやめて「国語」「算数」両教科ともユリウスにする。
- 通塾は週1日+土曜日に計算プリントをしに行くのみ。
- 毎月2回の日能研のカリキュラムテストを受けるのはやめ、月に一回の全国模試だけ受ける。
- 志望校で開催される学校説明会や入試体験、入試解説などのイベントには積極的に参加する。
- 小学6年生の9月迄でバレエ以外の習い事はやめる。
バレエは12月まで週4日(1月のみ週1日)通い続け、受験日を迎えました。
偏差値40台の中高一貫校を受けるメリット
ポキート
偏差値40台の私立中学校って受験させて行かせる意味あるの?…と思われるでしょう。
(実際、私がそうでした。汗)
一般的に偏差値に関係なく、私立の中高一貫校を受けるのにはこんなメリットがあると言われています。
- 高校受験のためではなく、より実践的な英語教育が受けられる。
- 部活や習い事などに中高通して熱中できる。
- 中高それぞれ3年間、計6年間かけて学習することを5年間で学び、残りの1年を大学受験に向けての勉強に使えるカリキュラムを組んでいる学校が多い。
- いじめ問題への対応が早く、公立中学校に比べるといじめが少ない。
- 学力面のサポートがある学校に進学すれば、高校受験、大学受験のための塾や予備校にかかる費用を抑えられる。
- 中学受験は高校受験に比べると親がサポートしてあげられる部分が大きい。
本格的な思春期に入る前なので、子どもとの意思疎通が上手く出来るうちに受験を済ますことができる。
これに加えて偏差値40台の私立の中高一貫校を受けるとこんなメリットがあります。
- 遊んだり、習い事をしたり、学校行事に力を注いだり…小学生らしい生活を送りながらでも受かる
- 特色のある教育をしている学校が多い
- 高校から偏差値が10〜20上がる学校もある
確かに、何校も学校見学に行きましたが、どこもカリキュラムに特徴があって魅力的でした。
英語教育や留学制度の充実だけでなく、理科の実験に力を入れている学校や、放課後の勉強のサポートが充実している学校も多く見受けられました。
そして、高校から偏差値がぐっと上がり、大学進学率も意外と良いのにも驚きました!
いわゆる「お得校」というものですね。
ポキート
なんと10以上も上がる!!
おそらく高校入試で受験したら難しかっただろうなぁ〜、と思うと中学で受験しておいてよかったです。
もしかしたら、大学進学もまだ諦めなくて良いかもしれない…そんな欲も出てしまいますね。ニヤリ…
やって良かったこと、やらなければ良かったこと
習い事に重点を置きながらの受験勉強をするコツとして、私たち親子が「やって良かった」または「やらなければ良かった」と思ったことをご紹介しますね。
小学3年生からの入塾は早すぎたかも
周りの「さぁ!早いうちから受験に向けて準備していこう!!」という雰囲気に乗り遅れてはいけないと焦って塾に入れたものの、今思えば完全に早すぎたなぁ〜と思います。
入塾は4年生からで十分かも。
毎日勉強をする習慣をつける意味で、塾に入れるならアリだとも思いますが…。
毎月受ける全国模試は4年生になってからでもよかったかな、と思います。
ポキート
小4からの文化祭通い
ポキート
在校生にもてなしてもらい、受験勉強へのモチベーションが上がります。
お友達のお子さんが通う中学校に行ってみるのも良いでしょう。
学校によって全く雰囲気も催しも違うので、いろんな学校に行くことをお勧めします。
学年が上がるとみんなそれぞれ自分の志望校のイベントに行くのに忙しくなってしまうので、お友達と連れ立って行けるのも4年生くらいまで。
ポキチータ(娘)
ミッション系の学校ではクリスマスに学校の教会で催し物があったりもします。
高学年になると、クリスマスの時期はもう受験勉強で忙しくなってしまうので、クリスマスのイベントに参加するなら4年生〜5年生のうちが良いでしょう。
私立中学校の合同説明会に行く
5月に国際フォーラムで行われる「東京私立中学合同相談会」や、6月に青山学院大学で行われる「日能研私学フェア」などに代表される合同説明会に行きましょう。
とにかくすごい人混みと、次々に増えていく資料の重さとで、一度に気になる学校を全部回ろうと思うと相当大変ですので、2回に分けて行くことをお勧めします。
後日、学校説明会に行った際、「青学の私学フェアで担当させていただきましたよね」と覚えていてくださった先生もいました。
ポキート
人気のある学校のブースは特に並んでいるので、開場してすぐに行きましょう!
“相談”と言われても、何を聞いたら良いのかわからないですよね。
でも、特に質問がなくてもブースにいらっしゃる先生方が、一緒に聞いている娘も退屈することのない素晴らしい話術で、学校の特徴をわかりやすく説明してくださるので大丈夫ですよ。
服装は、カジュアルすぎなければ大丈夫です。
でも、足元は必ず疲れない靴で行きましょう!
ポキート
娘は「カジュアルだけれどもちょっぴりよそ行き」をテーマに、ネイビーに白のボーダー柄のボックスワンピースにバレエシューズで行きました。
帰りは紙袋いっぱいの資料が重くて大変でしたので、その覚悟をしていきましょう!
小5のうちに気になる学校の説明会や体験会行く
合同説明会で聞いた話や、もらった資料を元に志望校をいくつかの学校に絞ったら、実際学校を見に行きましょう。
校舎を案内してもらったり、授業が見られたり、理科の実験や部活の体験ができたり、制服の試着ができたり…と、学校によって説明会にもいろんな趣向が凝らしてあります。
あと、茶道と華道の体験もやったよね。
ポキチータ(娘)
ポキート
ママは、先生を抜きにして在校生の保護者に直接話が聞ける座談会がすごく良かった。
寄付金のこととか、先生に聞きづらいことも聞けたし。
土日は模試などで忙しくなります。
春のうちから計画的に回りましょう。
小6になったら塾の会場模試や志望校の入試解説や入試体験会に参加する
いよいよ入試に向けてより実戦的なテスト勉強を始めます。
うちの娘は緊張に強いタイプ(…というより緊張感のないタイプ?)なので、あまり心配はしていませんでしたが、やはり「慣れ」は必要。
9月から「日能研全国公開模試合格判定テスト」を外部会場校となっている私立中学に受けに行くようにしました。
ポキート
テストの日の朝に子どもを会場に連れて行き終わるまで待つ、親の私たちの練習にもなりました。
そして、志望校で行われる入試解説や入試体験会に参加しましょう。
実際に受験する学校で、本番さながらの入試体験ができるのは、何よりもの練習になります。
ポキート
え!?そんなことまで教えてくれちゃうの??…ってところまで解答のコツを教えてくれますよ。
入試を間近に控えて不安な気持ちになってきている子どもたちにとっては、どんな励ましの言葉よりも勇気をくれます!
まとめ
数年前に、さかなクンのお母さんが話題になりましたね。
子どもの好きなことを全力でサポートするその育児法にたくさんの人が心打たれました。
受験戦争がピークだった頃に高校受験、大学受験を経験している私たち親世代は、はたして人生は学歴だけではないのではないか?という考え方を持つようになってきている人も少なくないはずです。
しかし、いざ我が子のこととなると、「大学に行くための勉強なんてしなくていいよ。好きなことをとことん頑張ろう!」と言ってやる勇気がでないものですよね。
私たち親子の偏差値40台の“ゆるっと受験”体験談が、みなさんのお役に立てると嬉しいです。