都内狭小住宅の間取り注意点、特に2階キッチンの場合(一生の後悔をしない為に)

狭小住宅の注意点

ナマケン

この記事をザックリまとめると、、
・我が家はいわゆる東京都内に建てた3階建ての狭小住宅で、2階にキッチンがあります
・間取りに関して、一歩間違えたら欠陥住宅になっていたかもしれなくて、思い出すだけでゾッとします
2階で冷蔵庫と洗濯機を使う方は特に要注意かもしれません

我が家は住宅メーカー(一条工務店)の設計ミスで、引渡し日が延期になるという経験をしました。

延期の原因になった箇所については上手くリカバリーできたのですが、それ以外の点についても、何かの判断が少しでも違っていれば「欠陥住宅レベルで不便なマイホームになっていたかもしれない」という気持ちが今でも残っています。

その経験から、これからマイホームを建てる方に、一生の後悔をしない為のアドバイスを書けないかなと思って、この記事をまとめました。

特に、

  • 都内狭小住宅住宅
  • 2階キッチン
という我が家と似ている条件の方は、ぜひ間取りの打ち合わせが終わる前に、この記事をお読み頂ければと思います!

注意点1:2階キッチン(洗面所)の場合は、道路側に大きめの窓を設置

2階の窓

結論から書くと、2階にキッチンか洗面所がある間取りの場合は、必ず「道路側に大きめの窓を設置」してください。

なぜなら、いわゆる都会と言われるエリアに建てる住宅の場合、階段の幅が狭くて冷蔵庫(洗濯機)が通らないことが多い為、クレーン車(ユニック車)によって2階の窓から搬入することになるのが大半だからです!

クレーン車引越しで冷蔵庫と洗濯機をクレーン車で2階に吊り上げる時の注意点!トラブルになりかけました

その為に、クレーン車を停められる道路側の窓に、大きめの窓を設置しておくことが必要なのです。

ナマケン

そんなこと住宅メーカー(工務店)がアドバイスしてくれるでしょ

と思いますよね。

2階にキッチンと洗面所がある間取りなのに、冷蔵庫や洗濯機の搬入経路を住宅メーカーや工務店が考えないなんて、ありえないと思いますよね。

ですが、住宅メーカーや工務店は数多くあり、さらに担当に付いてくれる設計士さんの経験値まで考えると、そこまでのアドバイスを貰えるかは「運」だと思った方が良いです。

ナマケン

つまり住宅購入者側で情報収集しないと、せっかくのマイホームなのに不便を強いられることになるかもしれません(例えば2階に自分が使いたかった大型家電を運べず、階段を通せる小さいタイプしか使えない等)

どうして僕がそんなことを言うのか?というのを、これから続けて書きたいと思います。

引き渡し日の少し前まで、冷蔵庫と洗濯機が2階に上げられるのかずっと不安だった

新居の引渡し日1ヶ月半くらい前になると、引越し業者を決める為に訪問見積もりに来てもらうと思います。

実はその時まで「2階に冷蔵庫と洗濯機を上げる時に、階段を通るのかな?」ということを、僕はずっと不安に感じていました。

ナマケン

素人目に見ても、特に冷蔵庫が階段を通る気がしなくて、引越し業者さんに「無理」と言われてしまわないか不安に思っていたのです

なので引越し業者さんに見積もりに来てもらった時に、その不安を正直にぶつけてみました。

すると返ってきた答えは、

東京都内の住宅だと8割方、冷蔵庫は階段を通りませんね。クレーン車で2階まで吊り上げて窓から搬入します

引越業者

だったのです。

そうです、この時に初めて、2階キッチンの場合はクレーン車で2階の窓からの搬入が当たり前という事実を知ったのです。

ナマケン

まさかのクレーン!でも2階まで冷蔵庫と洗濯機を運べそうで一安心

と、前向きに喜べた反面、住宅メーカー(一条工務店)に対しては「はっ?えっ?」と思いました。

なぜなら、何度も行った間取りの打ち合わせの時に、「2階キッチンの場合はクレーン搬入が大半なんて情報は聞かなかった」からです。

さらに、冷蔵庫と洗濯機をクレーン搬入することになる2階の道路側の窓は、もしかしたら無くそうと考えていた窓でもありました。

↓に続きます

道路側の窓は西向きの為、西陽対策の為に無くそうとしていた

西側の窓

僕が新築一戸建ての勉強をした時に、「高断熱・高気密のパッシブハウス」という言葉を知り、なるべく我が家でもパッシブ設計の概念を取り入れたいと考えました。

例えば、については、

  • 北側には窓を設置しない、もしくは小さくする
  • 東南側の窓で日射取得する
  • 西側の窓はどうしようか?(夏の西陽を考えると窓は要らない、でも冬は日射取得と採光したい)
というようなことを考えていました。

なので、間取りの打ち合わせ途中の段階では、「2階の西側の窓は西陽対策で設置したくない」というような案を出していたのです。

ですが、最終的には「2階リビングの採光の為に」と、妻に言われて設置するような流れとなりました。

※リビングへの採光だけでなく、もしかしたら消防法(火事の時の消防隊の進入経路)絡みもあったかもしれません

いずれにせよ、それは決して、「2階で冷蔵庫と洗濯機を使うので、クレーン搬入のことを考えて、西側(道路側)の窓を設置しないといけない」という、住宅メーカー側からのロジカルな提案ではありませんでした。

つまり僕が頑固にパッシブ設計にこだわっていたならば、2階の西側(道路側)の窓は設置されていなかった可能性もあるのです。

新居はほぼ完成し、引渡し日の1ヶ月半前というタイミングで、この事実に気がついた時には、本当に寒気がしました。

もし冷蔵庫と洗濯機をクレーン車で搬入する経路がなかった場合、引き渡し直前の段階では、さすがに壁を取り壊して窓を設置するのは難しいでしょう。

何だかんだと住宅メーカー(工務店)に説得されて、その結果、小さいタイプの冷蔵庫(洗濯機)に買い替えて、階段から上げて使う展開しか見えません。

ナマケン

せっかくのマイホームなのにそれは辛すぎます

2階キッチンで冷蔵庫と洗濯機の搬入経路まで考えてくれる住宅メーカーはある?

一条工務店のような大手でも、地方に強くて、都内は開拓中という状況であれば、都内でさらに2階キッチンという少ないケースの場合は、ノウハウの共有が遅れていることも予想されます。

ナマケン

今回の我が家はそのパターンな気がしています

さらに担当に付いてくれる設計士さんが、地方で経験を積んできた方だと、都内のさらに2階キッチンのノウハウは少ないことだってあります。

こうなってくると、適切なアドバイスをしてくれる住宅メーカー、設計士さんと出会えるかは「運」としか考えられないです。

けっして一条工務店だけの問題ではなく、業界全体に当てはまる問題だと思います。

なので、何千万円もする買い物でやり直しがきかないとなると、自分でできる限りの情報収集をして、身を守るしかないような気がしています。

例えば、

  • 都内狭小住宅
  • 2階キッチン、2階リビング
  • その他、自分の住宅の特徴
などの言葉(キーワード)で、徹底的に検索してみることをお勧めします。

ナマケン

情報収集される方に読んでもらいたくて、この記事を書きました!

注意点2:キッチン横の通路幅も家電が通る広さに

キッチン横の通路

これまでは2階キッチンの場合、「冷蔵庫と洗濯機を家の中に入れる為に、設計段階で搬入経路を確保しておくことが大事!」ということを説明してきました。

ですが2階キッチンの場合、さらなるトラップが用意されています。

それは「キッチン横の通路を冷蔵庫(洗濯機)が通らないことがある」です。

どういうことかというと、↑の画像のように、キッチンがある為、その横の通路は幅が狭くなりがちですよね。

その為、2階の窓から冷蔵庫や洗濯機を搬入はできたとしても、「キッチン横の通路幅が狭くて冷蔵庫もしくは洗濯機が通らない」という設計ミスも起こることがあるのです。

もし通らなかったら、既に新しい冷蔵庫や洗濯機を買ってあったとしても、小さいタイプに書い直さなくてはなりません

設計ミスのせいで、

  • ドラム型洗濯機を使いたかったのに使えなくなった
  • 大きい冷蔵庫が使えなくなった
なんてことになったら、せっかくのマイホームなのにツラすぎますよね。

ナマケン

2階キッチン、トラップ多すぎ!

我が家のキッチン横の通路幅も明らかに設計ミス

我が家のキッチン横の通路幅も73センチしかなく、しかもキッチン横の通路に一条工務店特有の「リモコンニッチ」という幅3.5センチほどのリモコン置き場を設置することになっていたので、有効で69.5センチしか通路の幅がありませんでした

建築中の内見時、ある程度、形ができあがってきたキッチンを見た時に、妻と「キッチン横の通路、細くない?すれ違うのが大変そう」という会話になりました。

さらに、その通路を、冷蔵庫と洗濯機を通す必要もあったので、「本当に通るのかな?」と心配になったことをよく覚えています。

その頃には、新居で使う洗濯機と冷蔵庫も確定していたので、サイズを確認してみると、

  • 冷蔵庫:59センチ
  • 洗濯機:60センチ
と、人が運ぶ際のスペースを考えても、何とかギリギリ通る状況。

冷蔵庫と洗濯機が階段を通るのか問題と同じように、とても不安を感じた点でした。

2階の道路側窓の配慮不足だけでなく、このキッチン横の通路の幅の細さまで加わると、一条工務店が冷蔵庫と洗濯機の搬入経路のことまで考えてなかった(もしくは軽視していた)ということを示唆するに十分な気がします。

間取りを決める時に、新居で使う家電のサイズを元に打ち合わせするべきだった

このことから考えるに、住宅メーカー(工務店)側は、間取りの打ち合わせ段階で、新居で使う家電のサイズを把握して設計するべきなんだと思います。

正直、僕たち購入者側は、設計段階では、間取りの頭がいっぱいになってしまって、1年後に使いたい家電のことまで考えが回らないです。

なぜなら、間取り決めは、どの家庭も必ず煮詰まると思いますし、時には白熱しすぎて住宅メーカー側とケンカしたり、夫婦でケンカになったり、揉めたりするからです。

そのような状況の中で、僕は家電のことまで頭が回りませんでした

なので、キッチンの通路幅を決める時も「家電がそこを通るかな?」なんて、考えつきもしませんでした。

ですが、そこを適切にアドバイスするのが、実務で仕事している住宅メーカーや工務店側の役割ではないでしょうか。

ナマケン

2階の窓の時と同じで、キッチン横の通路幅まで適切にアドバイスできる住宅メーカーや設計士さんがどれだけいるのでしょうか?

我が家のオチ。結局、第三者機関の完了検査に通らず、引き渡し日が延期

これまでの話の流れをまとめると、

  1. 冷蔵庫と洗濯機をクレーン搬入する2階の窓は、たまたま付けていた
  2. キッチン横の通路幅もギリギリ通りそう
と、本当に運だけで何とかギリギリ、冷蔵庫と洗濯機を2階のそれぞれの場所に運べる状況ではありました。

ナマケン

何度も言いますが、間取りの打ち合わせの時に、使いたい家電を想定して、サイズを把握し、搬入経路をロジカルに設計しましょう!住宅メーカーや設計士さんが頼りないなら、自衛して自分たちで調べましょう!

ただ、最後の最後に落とし穴が待っていました!

それは、第三者機関の完了検査に落ちてしまったことです。

施工が完了し、住宅メーカー側のチェックの後に、第三者機関による完了検査というものがあるのですが、その検査にキッチン横の通路幅が75センチ未満で細すぎたことが原因で不合格になってしまったのです!

火災などの緊急時を想定して、道路側の窓の確保などはよく知られていることだとは思いますが、関連して住宅内部の通路幅も一定の基準を満たすことが必要みたいです。

ただ「通路幅は75センチ以上にしなければならない」という法律で決められた明確な基準があるわけではないようで、完了検査をする第三者機関によって判断が異なり、一条としても不合格は読みきれなかったところみたいでした。

ナマケン

僕は正直、起こるべくして起こった完了検査の不合格だったと思いました。2階キッチンにも関わらず、家電の搬入経路を軽視して設計したのですから

それまでは運で何とかギリギリ欠陥住宅スレスレを乗り切ってきてましたが、最後の最後でつかまったか…

我が家ながら、そんな印象でした

そして「新居の引渡し日が5日前に延期」というアクシデントにつながっていったのでした。

「プロに任せておいた方が良い」という考えや、そう言ってくる人に流されないで

厳しいことを書くと、「自分で調べたり、考えたりしない人」って、たくさんいますよね。

そういう人は「プロに任せておけば良い、プロがそう言っているんだから」といって、すぐに思考停止しがちです。

夫婦両方がきちんと調べられるタイプなら良いですが、どちらかが調べないタイプでしたら、調べられる方が頑張った方が良いです。

また、ジジババが出てきて、「向こうはプロなんだから」とか言い出すかもしれませんが、結局、不便な思いをするのは自分たちなので、絶対に流されないでください!

ナマケン

間取りのことで頭が一杯になってしまって思考停止してしまうことにもお気をつけください。僕はそうなってしまいました

トラブルを経験した上で、一条工務店を誰かにオススメするか?

今回の記事では、一条工務店へ厳しいことを書いているので、一条工務店を検討している方を不安にさせてしまったかもしれません。

誤解を招かないように、最後まとめておきたいと思います。

引き渡し日延期の原因となったキッチン横の通路幅の細さは、キッチンを小さいタイプに入れ替えして通路幅を広げることで解決し、運の要素も大きかったですが、結果的に使いたい家電も2階にクレーン搬入できたので、今では快適に暮らせています。

ナマケン

キッチン横の通路は今は1メートル以上の幅があり快適です

また、

  • 家の基本性能の高さ
  • フィリピンの自社工場でパーツを作る等、仕組み化されてる安心感
  • きちんと顧客と向き合ってくれる
など、僕個人としては、とてもお勧めしたい住宅会社であることは、トラブルの前から変わらず思っています。

ただ、我が家での設計の甘さが、また他の家でも再現されてしまう可能性はないとは言えません

どういうことかというと、

我が家の最初の設計は、もちろん一条工務店としての会社チェックを通ったものでした。

つまり、

  • 「家電の搬入経路まで確認しなければならない」というような明確なノウハウがあれば、一条工務店としての会社チェックで引っかかっていたはず
  • もしノウハウがなかったらなかったで、我が家で引き渡しが延期となった原因を分析し、ノウハウに落とし込んで、改善するシステムになっているのか?

今回の我が家でのトラブルを通して、そのあたりの確信を得られなかったので、全力で一条工務店をオススメできるかといったら、ちょっと手控えてしまいます。

なぜなら、せっかくの期待を持って建てたマイホームなのに、住宅メーカーや工務店側の設計ミスのせいで、使いたい家電が使えず泣いている家族がいるとしたら悲しすぎるじゃないですか。

ナマケン

一条工務店の本部の方、この記事を読んだらいつでも連絡してきてください

トラブル対応に期待することって、謝罪や補填もそうですが、再現性がなくなるように根本的に解決してくれることなんです

ただ、基本はとても良い住宅メーカーなので、それでも注意点込みでオススメしたい気持ちの方が上回っています